クフーサポート合同会社 代表社員
1990年株式会社リクルートに入社
2003年株式会社リクルートキャリアコンサルティングの設立に参画
2012年株式会社ビューポイントウェアの取締役に着任
2022年クフーサポート合同会社、設立。採用・営業等のコンサルティング業務に従事
私が新卒でリクルートに入社し、クライアントの新卒採用をサポートする部署に配属され3ヶ月ほど経ったある日のことです。
所属していたグループのチーフから「すんげぇ面白い奴を紹介するから、今夜付き合え!(口の悪いチーフだったので「すんげぇ大馬鹿野郎だから、楽しいぞ」と付け加えていたような…)」と言われ、紹介されたのが黒川さんでした。
※チーフと黒川さんは、千葉大学体育会剣道部の先輩・後輩の間柄だったとのことです。
当時、黒川さんは隣の営業所で抜群の営業成績を残しており、紹介されてから程なくした頃から、当時は誰も考えなかったような仕事・仕掛けを連発しはじめました。
日本でインターンシップによる採用は全く行っていなかった時代に、学生をブラジルに連れて行って、(今でいう)インターンシップ(のようなプログラム?)を実施したり、リクルートブックをメディアジャックしたりと、手掛けた斬新な仕事は事業部の中でも話題になり、私の当時の黒川さんの印象は「面白い企画をひねり出すアイデアマンで、大きな仕事を仕掛け・推進している人」というものでした。その後、互いに異動を繰り返す中で、同じ部署や近しい部署で何度か仕事をすることになります。
そこでも黒川さんは「公共との協働プロジェクト」「キャリア自律支援事業」「日本を企業から変えていく研究会」等、新しい試みを次々と仕掛けていました。
近くで仕事をし、黒川さんの仕事の結果だけでなくプロセスも目にするようになり、その斬新な発想の源は「膨大な文献や書物、データ、事例」や、「それらの組み合わせの妙」から生まれていることが分かりました。
つまり、最初のイメージ「面白い企画をひねり出すアイデアマン」で、「大きな仕事を仕掛け・推進している人」の、後半部分は正しかったのですが、前半部分は大きく異なるものでした。
面白い企画は「ひねり出した」ものではなく、「極めて大量な情報をインプット・処理し、組み合わせ、理路整然と導き出した」解であり、アイデアマンというより、むしろエンジニアという方が適切であるように感じました。
標題の"コンピューター付きブルドーザー"は、周知の通り、かの名宰相、田中角栄氏のニックネームです。膨大かつ明晰な知識と、やるといったら徹底してやり抜く実行力、 この2つを兼ね備えていたことから、そのように呼ばれていたと聞いています。
黒川さんを言い表す言葉として、借り物ではありますが、引用させていただいた次第です。
田中角栄氏は「人の心をつかむ天才」とも言われていました。
黒川さんは半年だけ、私の直属の上長だった時期があったのですが、その時の指示はただ一つでした。
「法律さえ破らなければ、何をやっても構わない」
もちろん、これは当時の私の置かれた状況を鑑みて、敢えてわかりやすくシンプルな形でメッセージしたものだと思いますが、この一言でとても活き活きと仕事ができた記憶があります。
お互いにリクルートから独立しましたが、近年、お仕事でご一緒する機会がまた生まれはじめました。
リクルート時代と同じように、いや、その時を超える「刺激」をいただき、「斬新で、社会に役に立つ仕事」を楽しく活き活きとご一緒したいと思っております。
末筆となりますが、文中で今のコンプライアンスに照らすと不適切な表現もあったかと思いますが、当時の時代背景を鑑み、ご寛恕頂きますようお願い申しあげる次第です。
2025年2月1日
榊 道博