株式会社トレーナビリティー 代表取締役社長
早稲田大学卒業後、ITベンチャー、フリーターを経て2007年リクルートに入社
若者の就労支援事業である就職Shopにて、営業、拠点長を歴任。2013年に独立
営業育成を中心とした研修、コンサルティング事業を行う
僕がリクルートに入る前、リクルートってこんな人がいるんだろうなと想像していたそのイメージ通りの人が、黒川さんだった。
顧客のために頭を抱え、自分たちが担当している商品かどうかではなく、どうすれば顧客がより発展するかを考えぬく。
自分たちの商品を売らないわけでもなく、できることを拡大させ、相手のためにすべきことと自分たちができることを統合していく。
お客様は商品ではなく、そこまで考えた黒川さんという人間にお金を払う。
僕がリクルートにいた期間はわずか5年半だが、その中で得た大きな財産の一つは、そんな人と一緒に仕事をすることができたことだと思っている。
リーマンショックの時は、有期実習型訓練というものを探してきてくれた。
売上が下がり、事業部全体が暗くなっている時期。
何とか兆しを作ろう、成功事例を作ろうと躍起になって仕事をした。
結果、この制度を活用した仕事で、事業を立て直すことができた。
あの時期が自分にとっては大きなターニングポイントだったと思っている。
黒川さんから、仕事の作法や取組み姿勢を学んだ貴重な時間だっただけでなく自分が仕事を通じて何を成し遂げたいかを感じることができた時期だった。
今の僕は、2008年当時に感じた成し遂げたいことを少しずつ深め広めようと自分なりにチャレンジをしている。
成功事例や兆しを紡ぎだし、そして誰かが喜んでくれたらこんなに嬉しいことはない。
一方で、どうすべきか分からないときや、失敗やミスをするときもある。
そういう時は、焦って何とか挽回しようとしたり、夜通し考えながら手を動かしたり、誰かと壁打ちをしながら意見を深めたりするのだが、簡単に解決することはない。
しかし、この悩んだりもがいたりする時間の中に、成長と発見が隠れている。
それは2008年当時も今も、何度も実感できていることだ。
僕は、これが人の成長に関する一つの真実だと信じている。
黒川さんは、今でも僕に、色々なメッセージをくれる。
話し方や目線、資料の作成といったことから、何を想って仕事をするかどんな生き様でこれからを生きていくかといったことまで様々だ。
それは直接的に言われたり、仕事を通じて痛感させられたり、時に後から意味が分かったり。
きっと黒川さんは、これからもこういう形で人と組織の成長を後押しし続けるだろう。
2016年1月1日
新井 重成