広島大学 名誉教授・東広島心理臨床研究室 代表
教育学博士、臨床心理士。学歴:広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。
専門分野、臨床心理学、生涯発達心理学。研究テーマ、成人期・高齢期のアイデンティティ危機と発達、
人生の危機に対する心理臨床的理解と援助、育児・介護等家族に対する発達臨床的援助
私の青年期以来の<問い>は、
●ライフサイクルを通じて心はどのように発達・深化していくのか
●人生の中で体験される危機は,それにどのように影響するのか
●躓きや危機のさなかにある人々の心の世界はどのように理解できるのか
●その心理臨床的援助はどのようなものなのか
というものでした。このような<問い>について探究し続け、成人発達臨床心理学の領域を開拓してきました。臨床心理学から成人期の人生の危機と発達をとらえるという私の研究が、企業人のキャリアの深化と危機の理解にも役立つことは、私の大きな喜びであり、励みです。
現在の研究課題は, Professionの世代継承性です。職人・企業組織を問わず、専門的仕事の中で培われた智慧、技、精神が次世代にどのように継承されていくか、あるいは継承が失敗したならば、それはどのような要因と力動によるものなのかという問題は、世代継承性の危機の時代と言われる今日の重要な課題であり、私自身の最も関心のある問題です。
大学人の研究と、企業人の自己理解やwell-beingをつなぐ黒川賢一さんの仕事に期待しています。